第4回 「物語(ストーリー)」をつくるⅠ ~スイーツ・ベーカリー店舗の繁盛店づくりのポイント~
物語(ストーリー)は、モノやコトなどすべてに付随しています。
例えば、普段私たちが使っている紙一枚であっても紙として出来上がるまでの工場工程や材料調達、そこに携わる営業マンや工場長、作業員、そのご家族、出入り業者、等々の悪戦苦闘や喜びが、紙ができ上がるまでのいきさつの中にいろんなドラマがあります。これが、物語(ストーリー)です。
更に、もっと過去をさかのぼると古代紙のパピルスまでさかのぼった歴史や物語が続いています。
他店との差別化・付加価値付け
クライアントと打ち合わせをしていると繁盛店づくりの上で、他店との差別化、付加価値付けが大切!ということは、よく耳にすることではありますが、今一つそれが何か?たどり着かない方が多いようです。
私の答えは“物語をつくる”ということです。
冒頭にお話したように、紙一枚をつくる工程には、いろんなドラマや歴史が詰まっています。
それが作る人や会社、更に場所が違えば、みなそれぞれに独自のドラマがあるはずで、決して同じモノはありません。これが、他店との差別化であり付加価値です。
記憶を呼び起こす”物語(ストーリー)”
では、その物語(ストーリー)をどうつくるか?
お店づくりは、まず将来像を白紙上に思いついた言葉や写真、絵、等を断片的に載せていきます。
実はこの時点で既に、ストーリーが作られています。もっと言うと、断片的なストーリーです。
例えば、庭を通ってアプローチするお店が浮かびあがってきたなら、庭を通る時間が発生します、ここに物語を入れ込みます。「ここに来たら、一瞬で普段の生活を忘れさせたいのであれば、季節の旬の花畑を前に設置する」
そうすれば、一瞬見ただけで、「わぁーっ!」とお客様の気持ちが舞い上がります。
そして、アプローチの間でフレンチカントリーの備品を投入すれば、お客様は記憶の中にある”ヨーロッパのお城や古民家のお庭のゆったりとした時間の中での憧れた暮らし“の記憶映像が流れ、気持ちが和らぎ店内にいざないます。・・・・ここでのストーリーは、「お客様が、お店に来たら普段の生活を一瞬で忘れさせ、庭の草花を見て和んだ気持ちで来店していただくフレンチカントリーなアプローチ」ということです。
断片的なイメージや発想を整理してつなぎ合わせることで、目的をもったストーリーとなります。
重要なのは、“なんとなく”ではなくて“きちんとストーリーとして完成させる”ことです。
そうすれば、お客様の記憶にある憧れや夢、希望を呼び起こし気持ちを誘導させることにつながります。
ここが“なんとなく”のレベルだと、完成度がぼやけてしまい、効果が発揮できなく投資効果が下がってしまいますので、要注意!です。
・・・・・お客様の記憶には、いろんな景色や情景が記録されています、それを呼び起こさせ、満足に導きます。
その為に、ストーリー(物語)が必要なのです。
次回は、物語をつくるⅡ です。